2010/04/12

春季公演終了

4/11(日)、春季公演が無事に終了しました。天気がだいぶ危ぶまれましたが、なんとかもってくれました。ご来場いただいた皆様には、心より感謝申し上げます。

最終日の演目は「釈迦如来」「愛宕詣」「餓鬼角力」の三番。

釈迦は嵯峨にしかない演目です。愛宕詣は、狂言堂から愛宕山が見える。餓鬼角力は農地の多い嵯峨らしく、最後には豊作を祈るセリフがある。

三つともいかにも「嵯峨狂言」という感じがします。

写真は餓鬼角力。怖い閻魔と鬼が三匹。それに地蔵菩薩と餓鬼が三匹。

鬼と餓鬼が角力をとります。最初は弱かった餓鬼も地蔵の力で強力に。最後は大将同士の戦いで地蔵が勝利。

そして最後は地蔵も閻魔も鬼も餓鬼も、みんな一緒にノーサイド。「豊年じゃ、明年じゃ」と唱えて舞台上を飛び跳ねながら帰っていきます。






次は10月の秋季公演。だいぶ間が開きますが、この伝統芸能の保存・継承のため、保存会は練習を続けます。どうぞ暖かいご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

2010/04/11

春季公演二日目

昨日、4/10に二日目の嵯峨大念佛狂言春季公演が開催されました。

嵯峨大念佛狂言は鎌倉時代の円覚上人導御によって1279年に創始された清凉寺の大念仏会がそのルーツと言われていますが、その時の様子は「洛中辺土の道俗男女雲のごとくにのぞみ、星のごとくにつらなりて」と伝えられています(『融通念仏縁起絵巻』)。


「雲のごとく」かどうかはさておき、開演の30分前にほぼ満席。

当日の演目は「花盗人」「大黒狩」「土蜘蛛」。「花盗人」は初日にも演じられましたので、これは置いておくとして、今日は「大黒狩」のレポートを。

「大黒」は僧侶の妻のこと。本来は禁じられている妻帯をしているばかりか、子供まで作ってしまった坊さんの話です。

親子三人、相合傘で寺へ戻り、さっそく赤子を挟んで仲睦まじい情景を繰り広げます。母親の手の中の赤子をあやしたり、坊主がおんぶをしてみたり。抱っこしておしっこをさせたりとしていると...

例によって旦那と供がやってきます。お寺の戸をたたく音に坊主と大黒はびっくり仰天。あわてて大黒と子供をお厨子の中に隠します。坊主は旦那と供に厨子の扉を閉めたままで拝んでもらい、うまく二人を追い払います。しかしそれで話が済むわけがない。旦那はなんとかご開帳してもらおうと、何度も供を寺へやります。そのたびに慌てふためく坊主と大黒。最後には厨子の中に女がいるに違いないと旦那に悟られ、すきを突かれてバレてしまいます。

赤子は取り上げられ、大黒は追い払われ、坊主は縛られと散々な目に。

戒律を破った坊主の話ではあるけれど、なんとなく物悲しさも漂うストーリー。短いけれどもなんとなく味わいのある話です。

さて、写真は「土蜘蛛」のクライマックスシーンです。この糸、なにかのご利益があるらしいということで、終了後に多くのお客様がお持ち帰りになりました。

今日は「釈迦如来」と「愛宕詣」に「餓鬼角力」。いずれも、嵯峨らしい狂言です。どうぞご来場ください。

2010/04/06

春季公演初日

好天に恵まれ、無事に初日を終えることができました。

最初は定番の「花盗人」。狂言のメンバーは省略して「ハナヌ」と呼んでいます。見所はなんといっても盗人と供のやりとりでしょう。供から次々と物をかすめとる盗人の機転。盗まれては慌てふためく供の仕草。お客様方もその演技に声をあげて笑っておられました。

次は「とろろ」。ここでも盗人と供が大活躍です。今度は立場が逆転し、ヒーローは供。酒を買いに行って帰ってくると盗人が!最初はガタガタ震えていましたが、途中から俄然張り切って...
「とろろ」をうまく使って盗人を倒します。そして旦那と茶屋女の救出に成功。けなげな供の姿は感動モノです。

最後が「船弁慶」。能でもおなじみのストーリーですが、別れを承諾したくない義経と静の心持ち。そこに毅然とした態度で臨む弁慶。ようやく静と別れて船出をすると、平の知盛の亡霊が襲ってきます。知盛役の見事な長刀さばき、仏への祈りで立ち向かう弁慶、刀を抜いてわたりあう義経。次第次第に弱っていく知盛。最後はめでたく知盛退散。

次回は4月10日の土曜日1時半からです。
演目は「花盗人」「大黒狩」「土蜘蛛」。初日の「花盗人」を見逃した方にはチャンスです。

さて、写真は「花盗人」。供の刀と盗人の鞘に注目。いつの間にか鞘と刀が入れ替わります。
面をつけてこれをやるのはなかなか難しいのですが、次回もこの二人の名演にご期待ください。

2010/04/03

いよいよ

嵯峨大念佛狂言の春季公演がいよいよ明日に迫りました。

最初の演目は例年通り「花盗人」。泥棒と供の軽妙なやりとりが見ものです。
次が「とろろ」。とろろ芋がポイントです。
そして最後が「船弁慶」。能の演目にもありますが、念佛狂言にはまた別の味わいがあります。

天気は良いようですが、じっと座っていると寒くなります。どうぞ風邪などひかれませんよう、防寒対策をしておいでください。

2010/04/02

ブログ開設

嵯峨大念仏狂言のブログを開設しました。

狂言の最新ニュースを中心に、いろいろな話題をお届けします。